趣味で毎日が充実している方はたくさんいます。趣味は自分磨きにもなるし、仕事のストレスを発散してくれる癒しの時間をもたらしてくれますよね。
でも、お金が一切かからない趣味はそう多くありません。多くの趣味には、多かれ少なかれ何らかの出費がともなってしまいます。
あるアンケート調査では、趣味にかけているお金が月に1万円未満と答えた方が3割近くという結果になりました。2万円未満と答えた方と合わせると半数以上になります。中には10万円以上も費やしてしまう凝り性の方もいますし、ギャンブルやコンサート、自動車、旅行、スポーツウェア・スポーツ用品など、趣味によってかかる金額は様々です。中には、収入の大半が飲み会で消えてしまうという人もいるようです。
山登りが趣味の渡邊さんも、「お金は果てしなくかかります。最初は山登りのグッズやリュックを揃える程度ですが、色々な山を登れるようになると、どんどんやりたいことも増え、欲しいものも増えてきて、きりがないです」とインタビューに答えています。かと思うと、新谷さんが趣味にしているダイビングのように、1回にかかるお金は交通費くらいです。施設使用料とガソリン代などを考えて、1回あたり1万円くらいでしょうか」という人もいます。
もちろん、住んでいる地域や、実家住まいか一人暮らしか、家族の有無などによって、趣味にかけられる金額は大きく変わりますが、ときには、ちょっと趣味にお金を使いすぎたかなと後悔してしまったことはありませんか。
今回は、趣味に使ってもいい金額の目安について考えてみましょう。
趣味に使うお金は決して「無駄金」などではありません。趣味がもたらしてくれるものはお金に代えがたいものがあります。毎日一生懸命仕事をして得たお金をどう使うか、それを自由に決められるということはとても楽しいことです。趣味は働いた自分へのご褒美でもあり、生きがいとも言えます。趣味があることで、仕事への張り合いが出るという人もたくさんいるのです。
ですが、趣味にお金がかかりすぎて貯蓄に回す余裕はない、となってしまうと、やはり見直す必要があるかもしれません。
趣味にかけてもいいお金は、いくらぐらいと考えればいいのでしょうか。会社員なら、収入の額は決まっているわけですから、その使い途を細かくチェックしてみましょう。ぜひ、ご自分の場合にあてはめて、シミュレーションしてみてください。
まず確保すべきは貯蓄ですが、その必要額は20%と言われています。家族や知人の冠婚葬祭費、旅行などの臨時出費などの備えや、長期的に見た生活安定のための貯蓄を考えると、たしかにそのぐらいは必要になりますね。
ついつい貯蓄に回すお金を使ってしまうという意思の弱い人は、一定額を自動積立で定期預金に回してくれる銀行のサービスの利用を検討してみるのもいいかもしれません。
残る金額から毎月の支出をまかなうことになりますが、中でも大きな支出は住居費です。これは都市部で生活している場合は、収入の40%ほどかかってしまうことも珍しくありません。
残るは40%ということになりますが、この中から光熱費や通信費、保険料などの固定費を工面していきます。また、食費や交際費などといった変動費を引いてみましょう。
こうして、最後まで残った部分が、趣味にかけられるお金です。
平均的にみると、趣味にかけられるお金は、収入の10%程度であると言えます。
趣味に収入の20%以上をかけてしまっている、という人は危険信号です。おそらく貯蓄が不足している可能性が高いですし、他の支払いにもきっとしわ寄せがきているはずです。
そんな人は、大好きな趣味を続けていくためにも、一度、予算を見直してみてください。
いくら好きな趣味でも、それで身をほろぼすことを避けたいと思えば、趣味の予算を決めることが必要です。趣味にかかるお金にリミット(限度)をかけるわけです。限度がないと、いくらでもお金をかけてしまうことになりがちです。クレジットカードで買い物をしすぎて、支払い月に顔が青ざめてしまった経験は、きっと多くの人にあると思います。限度額を設定していれば、そんな失敗は避けることができたでしょう。
限度額とは、つまり、毎月の家計における趣味の予算ということです。「趣味予算」を日ごろから意識し、いっそのこと趣味専用の銀行口座を開設して、趣味で使うお金はその口座のものしか使わないというふうに徹底すれば、意思が弱い人でもうまく管理することができるようになるかもしれません。
趣味のために使っている出費の中には、厳密に見ていくと、必ずしも楽しみのためだけでないものもあります。
習いごとなどを例にとると、同じ英会話教室という趣味でも、英会話を身につけたい目的が「字幕なしで洋画が見られるようになりたいから」という場合と、会社でのTOEIC試験に備えて英会話を習っているのとでは、やはり必要度合いが異なります。
つまり、まったくの自分の楽しみで費用がかかっている趣味と、仕事に役立てるためにお金をかけている趣味があるわけです。
こうした出費は、一種の必要経費と言えなくもありません。
どれが本当の趣味で、どれが必要経費かを分けて考えてみることも必要です。
趣味にかけていいお金は、一般的には収入の10%ということを紹介しましたが、それをもっと増やしたいとしたら、どうすればいいでしょうか。
この場合、貯蓄の金額を減らすのはお勧めできませんから、他の支出を見直すことになります。
住居費を削減するために引っ越しを検討したり、電力自由化を利用して電力会社を変えることを検討したり、携帯電話を格安スマホに変えてみたり、無駄な保険に入っていないかなど、細かく見直していけば、月々の固定費を減らすことができるかもしれません。
また、外食や飲み会なども見直せば、無駄な出費を抑えることができます。
ただし、くれぐれも趣味にかかるお金で身をほろぼすことがないように注意してくださいい。趣味も大切ですが、友達や同僚などとのお付き合いも大事ですから、出費を抑えすぎるのも考えものです。
お金をうまくコントロールして、バランス感覚を大事に趣味を楽しんでくださいね!