自然を満喫しながら運動にもなる趣味のひとつが、山登りです。
樹林の中を一歩ずつ土を踏みしめ、足元の花を愛で、木漏れ日に安堵し、抜けるように広がる青空の下で山頂から絶景を眺める山登りは、自然を満喫できる大変贅沢な楽しみをもたらしてくれます。
自然に身をおき、美しい景色を眺めることで得られるリラックス効果は、普段の散歩などとは比較できないほど大きなものです。
もちろん、全身運動として身体にかかる負荷はありますが、サークルに入れば仲間をつくることもできますし、自分に合ったペースで楽しむこともできます。
ハイキング的に気軽に挑戦できるものから本格的な山登りまで、楽しみ方は十人十色です。
週末はいつも朝方に出発して、日が昇るころにはすでにお気に入りの山を登っているビジネスパーソンって、なんだかカッコイイと思いませんか?
山登りは誰でも始められ、続けていくことができる趣味ですが、漠然と「山登り」と言っても、身近に山登り好きがいないとなかなか始めるきっかけを持てないかもしれません。
今回は、山登りに興味がある人のために、その魅力やメリット、注意事項などをまとめてみました。
山頂からの眺望を楽しむのもよし、新緑や紅葉に癒やされるのもよし、難易度の高い山にチャレンジして達成感を味わうのもよし、ときにはゆっくり低山を歩くのもよし。
前の日からドキドキ、ワクワクするのも山登りの楽しみのひとつです。
平日は忙しく働くビジネスパーソンが、週末には登山家に変身。
当サイトのインタビュー「自分にストイックになれる山登り 美しい景色を見ると最高の気分です」に登場した工務店にお勤めの渡邊さんのように、忙しいビジネスの合間に、山登りの趣味をプレイベートで楽しんでいる方はたくさんいます。
ただ運動をするだけではなく、自然豊かな風景や都会では味わえないような空気が待っているところが、山登りという趣味の醍醐味です。
山という自然は、季節によってその様相を変えます。
春は新緑、秋は紅葉と四季折々に変化する自然の変化や、都会では味わえない素晴らしい景色を楽しむことができます。
自然によって心身ともにリフレッシュされ、日々ためこんでしまったストレスを一気に発散できる快感は、ほかに代えがたいものがあります。
何度も登る「行きつけの山」を見つけることも、山登りの楽しみのひとつです。
山の変化を楽しみに何度も足を運ぶことで、山登りの魅力に気づかされるでしょう。
山登りは、自然に行える有酸素運動です。始めたら数時間歩き通しになることも珍しくありません。
予想する以上に運動量が多く、体内の脂肪を燃焼させ、血糖値を下げ、心肺能力を高めるといった効果を期待できます。
このため、最近多くのシニア層が、健康増進のために山登りの趣味を始めています。
山登りは、登って無事に降りるというふうにゴールが明確です。自分のペースで自由に運動でき、誰かと競争する必要もありません。
このため、ジョギングなどでは途中で挫折してしまう人も、山登りなら継続しやすいと言われています。
山ですれ違った人々とは、「こんにちは」「お先に」などと声をかけ合うのが、山登りのルールです。
べつに無理に話し込んだりする必要はありません。適度な距離感を保って人と交流できる点も、山の魅力でしょう。
もちろん、一人で山登りを楽しむこともできますが、仲間と感動を共有するという楽しみ方も格別なものです。
休憩しながら冗談を言い合ったり、頂をきわめた感動を共有すれば、仲間とのつながりを実感できます。
気の合う知人や友人を「一度、○○山に登ってみない?」と誘ってみるのもいいでしょう。
山に登って自然を満喫したいという気持ちは、口に出さなくても、多くの人がもっている気持ちですから、案外、喜んで誘いにのってくれるかもしれません。
今は、「山ガール」と呼ばれる若い女性の登山ファンも増えています。
登山教室や登山サークルを活用して、仲間を見つけることもできます。
初心者から経験者まで、実力に応じて様々な教室がありますので、自分と同じ志向の人たちと意気投合すれば楽しみは倍増します。
家族や夫婦で登れば、家族の絆も一層と深まります。
たとえハイキングのような気軽なものでも、山登りは、事前の計画が大切です。
泊まりがけで行くともなれば、1日に歩く距離や宿泊先も事前に決め、必要な食糧を計算し、寒さ対策などの装備も準備します。
天候の変化によって、ルートの変更を余儀なくされたり、予定通りにはいかないこともあります。でも、そんなちょっとした遠回りもまた、より楽しい冒険のためのスパイスになります。
「雨に降られちゃったけど、おかげで虹を見られた」
山登りが好きになれば、そんなふうに臨機応変にポジティブに状況を楽しめるようになるのです。
山登りのハードルは誰にも共通です。疲れるポイントを克服したときの達成感は、同じ場所を行き交う人々がみんな共有していますから、たとえ交わす言葉が少なかったとしても、自然にお互いにエールをおくる気持ちになれます。同じ場所でほんのひととき一緒に休憩しただけでも、その後で天候が変化したりすれば、「あの人、大丈夫だったかな」と本気で心配してくれるような人ばかりです。
時には温かい飲み物を分け合ったり、珍しいストーリーを教えてくれたり、ためらいなく心を開いてくれるでしょう。
山登りをしようと思っても、体力に不安がある方もいるかもしれませんね。
でも、心配は不要です。
山登りは気軽に自分のペースで続けられるので、学生時代からスポーツをバリバリ経験してきたようなアクティブな人でなく、ほとんど運動経験がないような人でも、山登りを趣味にしている人はたくさんいます。
まったくの初心者なら、専用の道具を揃えることなく、無理のない範囲から始めることもできます。
まずは手近な山にハイキングに行くつもりで出かけましょう。大掛かりな準備は必要ありません。あえて登山靴を用意せず、履きなれたスニーカーでも登れる山はたくさんあります。慣れてきたら徐々に道具を買い揃えていけばいいのです。
ただし、薄手すぎる服だと寒くなったり、紫外線に当たりすぎることもあります。虫や毒草などで肌がかぶれる恐れもあります。防寒ジャケットなどは準備したほうがいいでしょう。
荷物は両手を開けるように、リュックサックにすべて入れておきます。
下記は、「最重要設備」とされる持ち物リストです。
前述の渡邊さんも、インタビューで、「続けていくうちに欲しいものが増えてきりがなくなる」と語っていましたが、そうなってくると、登山道具が安くないことは確かです。登山の道具は、何よりも安全性を重視しており、機能的に妥協していないため、高額なのです。
具体的には、下記のようなサイトがあるので、グッズごとに検索して、自分にあったものを選びましょう。はじめから高価なものを選ぶ必要はなく、あくまでも自分のレベルに合わせて選び、徐々に本格的なものを揃えていくのがいいでしょう。
有名メーカーなどのブランド品にこだわらず、中古品を探してみたり、登山サークルなどに入っていれば、先輩からお古をもらったりすると、少し安くあげることもできるでしょう。
これから山登りを趣味にしたいという方は、まずは、景色を楽しみながら坂を歩くということを楽しむことから始めましょう。
というのも、山登りで疲れないコツは、川のせせらぎや季節ごとに変化する木々、鳥の鳴き声などといった自然を堪能しながら歩くことなのです。
ときには、山小屋で、その山独特の食べ物に舌鼓を売ったり、温泉を利用するというのも山登りならではの楽しみです。
慣れてきたら、徐々に高い目標を目指してみましょう。達成感もひとしおのはずです。
ただし、危険があるときにはすぐに引き上げるのを忘れないでくださいね。
山登りは、仲間がいるとさらに楽しめる趣味です。一人で登るのとはまた別の面白さがあるのです。
身近に山好きがいない場合は、登山バスツアーや、イベントなどに参加してみると仲間を見つけられます。初心者向きのイベントもあり、1人で参加する方も多いので、同じレベルの仲間との交流を始められます。
そうしたつながりの中で、きっと山登りの経験が豊富なベテランの先輩と知り合う機会もあるはずです。登山道具のお古をもらったりすることにもつながりますし、山での細かいマナーや、事故などがあったときの対応など、安全のためのたくさんの知識を教えてもらえるメリットもあります。
山登りをする人の多くは、自分の活動の記念に写真を撮りますので、SNSの写真から仲間を見つけられることもあります。
同じ趣味を持つ人が自分の活動を見たり、応援してくれるようになると、ますます山登りが楽しみになるでしょう。
友人や恋人、家族など、身近な人を山登りに誘ってみるのもありです。一緒に同じ趣味を楽しめば、時間を共有する楽しさを味わえます。
山登りは年齢を問わず楽しめる趣味ですから、親子で一緒に山に登るといった趣味を長年楽しんでいる家族もいます。
そんな楽しい山登りですが、遭難や落雷、ケガや病気など、多くの危険も隣り合わせです。自然の山を相手にする分、いざという時の準備や心構えが大変重要です。
装備不足や知識不足から死亡事故が起こることもあります。
そんなに高くない山であっても、普段の生活では起こらないような危険があるのが山登りです。
自分の体力に合わせた山を選ぶことも大切ですが、普段からウォーキングなどで足腰を慣らし、登る山について事前に知識を集め、装備などの準備もしっかりして臨みましょう。
そして、頂上までたどり着けないと感じた場合は、あえて引き返して下山するという判断力も必要になります。
元気なうちは、美しい景色を楽しめる快適なウォーキングですが、筋肉痛や靴ずれを起こしたり、高度によっては、頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良に陥ってしまうことがあります。突発的なアクシデントが起こり、ケガをしてしまうこともあります。
靴ずれや、ちょっとした切り傷、虫さされなど、ほんのちょっとのトラブルでも、山登りを続けると大きな障害になってしまうことはよくあります。
そのようなときはすぐに休憩を取り、応急処置をしてください。切り傷なら汚れを落とし消毒し、熱中症の症状が出たら、日差しを避けて水分と塩分を取ります。絆創膏やタオル、テーピング、水などの救急治療に必要な道具を用意しておくと安心です。
回復しないようであれば、迷わず早めに下山して病院で診察を受けてください。
山の中は意外と迷いやすいので、近場だからと一人でふらふらしていると、遭難してしまう可能性もあります。仲間と登っている場合には単独行動は控えましょう。
また、道が分からなくなってから地図を見るのではなく、要所要所で地図を確認し、現在地とルートを確認しましょう。もし迷っていると判断したら、間違っていないと思われる場所まで戻ってください。感覚だけで先に進もうとすることは、非常に危険です。
日本は、全国どの地方でも、山が豊富です。山のあるところには、四季折々の魅力があり、そしてどれひとつとして同じ山はありません。山ごとに様々な魅力を発見することができます。
山登りは運動になる上に、心身をリフレッシュさせてくれる、とてもいい趣味です。
最初は無理せずに、低い山から登ってみて、次第に難易度の高い山にチャレンジしていくことも、趣味としての山登りの楽しみです。あなたならではの楽しみ方をぜひ見つけてみてください。